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猛烈に意識が高いブログです…

Ubuntuで音楽制作環境を構築するためにN100ミニPCを買った話

この記事はニフクラ等を提供している、富士通クラウドテクノロジーズ Advent Calendar 2023の19日目の記事です。

昨日は@aokumaさんの external-dnsのWebhookを調べて実装してみたでした。
Webhookについて、雰囲気だけで理解していた(してない…)のですが、3割増しくらいの理解になった気がしました。

ところで、私はニフクラエンジニアミートアップの管理人でありながら、エンジニアどころか法学部卒の「完全文系」です!

去年は「作曲」の自動化を目指しましたが、今年はLinuxで音楽制作環境を構築する方向に舵を切ってみましたって唐突ですか?

いらすとやさんは何でもありますね

自宅サーバーで何をやるか問題

Linuxといえば、サーバー用OSです。 私は日頃からLinuxサーバーの管理者を相手にお仕事をしていながら、物理サーバーを扱ったことはりません。
クラウドサーバーやレンタルサーバーは借りたことがあります。

ニフクラエンジニアミートアップで「自宅サーバー」ネタで人集めては「自宅サーバーはいいぞ!」と言い続けているので、そろそろ自分も導入しないとな!とようやく重い腰(テレワークのおかげで本当に重い)を上げました。

で、自宅サーバーで何をやるか?

学習用に自宅サーバー環境を構築する者が、常に自問自答するテーマです。 今回は、Ubuntuで趣味の音楽制作環境の構築・・・
つまり、DAWDigital Audio Workstationを導入します。

そもそもDAWってなんだ?

DAWのことに興味がない皆さんに、軽く解説をしておきます。

たとえば、ボーカル、ギター、ベース、ドラムというバンド編成の曲を制作する場合、最低4トラックを別々に録音可能な環境が必要です。 昔は、それぞれマイクを前にして順番に録音していたわけですが、現在ではボーカルはボカロ、ギターやベースやドラムは、仮想化された楽器(VST:Virtual Studio Technology)を使用するようになりました。DAWの進化によって、(物理的な)スタジオも楽器もプレイヤーも不要になったといえます。

WindowsMacには、市販・無料のVSTが多数流通していますが、Linuxで動かすのはちょっとハードルが高そうな気がしたので、今回はVSTは無視して仮想スタジオ・仮想マルチトラックレコーダー環境を構築することにします。

LinuxDAWについて

LinuxDAWを使っている人の情報を探します。 ちょっとググったらDTM界のカリスマ藤本健氏の記事が出てきました。

av.watch.impress.co.jp

DTMerは、基本的に藤本健氏にすぐ影響を受けます。

もらっておきましょう!(わかる人向け)

そもそもLinuxでわざわざDTMをやる人は多くないと思うので、情報量が少なくかなりの修羅の道が予想されます。

■N100ミニPCを買った!

賞与がでる金曜日の前日にBMAXというメーカーのミニPCをぽちりました。

2万円台前半で買えるみたい

FJCTの自宅サーバー勢がこぞって導入したというN100ミニPC

社内の自宅サーバー勢におすすめを訊いておきながら、なぜかBMAXを買いました。
開封して、とりあえずUSBブートメディアを作って起動できるようにBIOSを・・・

BIOS出ないんだが?

起動時に連打するキーが違っただけでした。
BIOS出たけどブートドライブを変えられないぞ?

たまにノートPCとかのマザボBIOSでブートドライブを変更できないやつがあるけどまさか?

Amazonの説明にも「Windows11Pro+Ubuntu」って書いてあったのに?

諦めるか(早)

※実はbootドライブの順番は変更できていたが、認識していなかった。。

■WLSでUbuntu環境を構築

気を取り直して、安易な道を選ぶことにしました。 WindowsからWLSってのを使うとLinuxをインストールできるらしい?

learn.microsoft.com

インストールできた!できた! さらにDAWもインストール。 とりあえず、藤本健氏の勧めるままに Ardourを選択。

DAW(Ardour)をインストール

多分こんな感じだろうと雑なコマンドで…

$ sudo apt install ardour

インストールは成功しました。

起動!(富山敬の声で)

かなり怖い感じのArdourの起動画面

あれ?なんか画面がおかしいぞ?

だめみたい。
諦めるか(早)

■Virtual BoxでUbuntu環境を構築

気を取り直して、別の安易な道を選ぶことにしました。 いつもお世話になっている日本仮想化技術の皆さんは「Virtual Box」っていうのでUbuntuを仮想環境にインストールしてたような?

この書籍を参考にしたら、極めてスムーズにインストールできました。 book.impress.co.jp ただいまKindle unlimitedで無料で読めるみたい。

Ardourもインストールして起動したら…。

老眼じゃなくてもこの画面はキツイと思いました。
画面が小さすぎて目が逝きそう
あと、オーディオインターフェースを認識しない。
諦めるか(早)

■なぜか検証機(MINISFORUM)を導入

その後、1週間経過してそろそろアドベントカレンダーの自分の記事に火が付き始めた頃、じゃん●らで「Windowsのライセンス無し。保証ありません。自分でOSを用意してください」と記載された格安ミニPCを見かけたので、衝動買いしました。

ミニPCは小さいから何台あっても困らないですよね?

今度は、普通にBIOS画面でブートドライブを変更できたので、BMAXで使用したブート用USBメディアを指して起動し・・・

起動しない!

起動問題のトラブルシューティング

冷静にトラブルシューティングをしていくと、ブート用USBメディアがダメってことになったので、ブート用メディアへのISO書き込み方法を見直してみました。

1.USBメモリーをFAT32でフォーマット
アイ・オー・データのフォーマッターソフトを使いました。
2.ISOファイルをダウンロード
3.USBメディアに書き込む
こういう書き込みソフトを使いました。 MiniTool Partition Wizard無料版|Windowsに最適なパーティションマネージャー

もう一回再起動したら、普通にインストールが始まりました。。

試しに、BMAXでもやってみたら普通にインストールが始まりました。。。

USBブートメディアの書き込みをミスっていただけか。。。

オーディオインターフェースの認識問題

DAWとかのソフトウェアをインストールする前にオーディオ周りを確認しておきます。 Linuxの世界では、ALSA(Advanced Linux Sound Architecture)とか言う仕様がオーディオを扱う上ではスタンダードのようでした。
とりあえず、音の入口と出口(要するにオーディオインターフェースが使えるか)を確認します。

$ aplay --list-devices

再生用のデバイスが認識されてい

$ arecord -l

録音用のデバイスが認識されている

見たところ、USBオーディオインターフェース(EVO4)を認識しています。

試しにYouTubeで動画を再生したら普通に聴こえました。

Audacityをインストールしてみた

DAWをインストールする前に、無料のオーディオ編集ソフト「Audacity」がUbuntuのソフトウェアメニューから選択できたので、とりあえず導入してみました。

www.audacityteam.org

環境設定でインターフェイスALSAなのを確認します。

drum

ドラムマシンの音をEVO4経由で録音できた!

Ardourをインストールしてみた

Ardourもコマンドを打つのがめんどくさいのでソフトウェアメニューから検索してインストールしました。

ArdourのEdit画面

Ardourのミキサー画面

ということで、UbuntuDAWを利用できることが判りました。

たぶん、本気で使い始めると遅延の問題が出てきたり、市販のVSTを使えるようにしたり…と課題も出てくるはずです。

■まとめ

Linux用のソフトウェアは未知の世界が広がっているので、いろいろ試してみると面白いかも。
あれこれやっているうちに、Linuxの操作も少しはわかってくるかもしれないですね。

自宅サーバーの用途が無いという人、DAWDTMとかやってみませんか?

明日の記事は @ometora_sateyanさんによる「Python初学者がToDoリストリマインダーbotを作ってみた」だそうです。

ToDoのリマインダーをすべてAlexaの音声に依存している私としては、とても興味があります。 それではお楽しみに!